ハンタウイルス

ハンタウイルス疾病のワクチンや薬は?ヒトヒト感染や経路とは?日本で流行の可能性は?(Hantavirus Infection)

  • 2020年3月28日
  • 2020年3月28日
  • 健康
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新型コロナウィルスの感染拡大で不安が広がるなか、新たに中国でコロナウィルスとは別の感染症が広がっていると話題になっています。

『ハンタウイルス』。

これはかなり気になる情報ですね。

 

私は『ハンタウイルス』を初めて知りましたので、この『ハンタウイルス』について

ワクチンや薬はあるか?
感染経路は何か?
ヒトヒト感染するのか?
日本で流行の可能性は?

 

など調べてみました。みなさんの参考になれば幸いです。

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ハンタウイルスとは?

まずはハンタウイルスとはどのようなものかを「厚生労働省検疫所FORTH」HPの情報を元に、お伝えします。

 

ハンタウイルスとは?

ハンタウイルス(Hantavirus Infection)とはネズミ等のげっ歯類のなかで一部の種が持っているウイルスです。

 

分類上はブニヤウイルス科のハンタウイルス属に属します。

 

ウイルスを持っているげっ歯類にかまれたり、排泄物に触れたり、排泄物を含んだほこりを吸い込むことで感染します。

 

ハンタウイルスに感染することで『腎症候性出血熱』、『ハンタウイルス肺症候群』という2つの疾患を起こします。

腎症候性出血熱

腎症候性出血熱(Hemorrhagic Fever with Renal Syndrome:HFRS)とは、発熱、腎臓の障害を特徴とする疾患で、主な流行地域は極東アジアと北欧・東欧を主とするユーラシア大陸全域です。

 

最大の流行国は中国で、年間5万~10万人の症例があります。
そのほかにも韓国では年間数百人、ロシアやヨーロッパ各地で数千人の発生が報告されています。

 

日本では1960~70年代に発生の報告がありますが、その後は発生していないとうことで、少し安心しました。

 

中国では1年間に数万例と、すごい数の発症例が報告されているんですね。

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腎症候性出血熱の症状

10~20日間、体内に潜伏したのち突然の発熱、頭痛、悪寒、脱力、めまい、背部痛、腹痛、嘔吐の症状が出ます。

 

また、顔面の発赤、目の充血、発疹などの出血症状がみられることもあります。

 

軽症型では上気道炎症状と微熱、検査でわかる程度の尿異常だけで回復します。

 

しかし重症型は、発熱に続いて、低血圧・ショック(4日~10日)、尿の減少(8日~13日)、尿の増加(20~28日)、回復という強い腎機能障害を伴います。

 

重症型では致死率が3~15%ということで、かなり高い致死率です。

腎症候性出血熱の治療

ショック状態や急性の腎機能障害を起こしうることを考慮しながら治療することが重要で、抗ウイルス薬であるリバビリンが有効であるという報告があります。

腎症候性出血熱の予防

日本には予防接種はありません。

 

よって、ネズミなどとの接触がないように環境を整備することが重要となります。

 

ねずみの糞や尿で汚染された場合には、掃除機やほうきなどのほこりを巻き上げるような器具は使わずに、漂白剤で汚染部を十分に湿らせます。その後ペーパータオルなどを用いてふき取り、ごみ袋に入れて廃棄します。

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ハンタウイルス肺症候群

ハンタウイルス肺症候群(Hantavirus Pulmonary Syndrome)は1993年にアメリカ南西部で初めて流行が確認された呼吸器疾患で、新種のハンタウイルスが病原体であること判明しました。

 

これまでに、アメリカ、カナダ、南米(アルゼンチン、チリ、パラグアイ、ブラジル、ウルグアイ、ボリビア、パナマ)で患者が発生しています。致死率が約40%で重症度の高い疾患です。

ハンタウイルス肺症候群の症状

潜伏期間は1~5週間と推定されています。

 

突然の発熱、頭痛、悪寒がみられ(1~4日間)、その後、呼吸困難、酸素欠乏状態が急速に現れます。

 

呼吸数の増加、脈拍数の増加が顕著になり、入院時の症状として発熱、筋痛、悪寒がほぼ全例でみられ、嘔気、嘔吐、下痢および倦怠がしばしばみられます。

 

他には短い呼吸、めまい、関節痛、背部痛、胸痛、腹痛、発汗および咳がみられ、まれに鼻汁やのどの痛みがあります。

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ハンタウイルス肺症候群の治療

早期の集中治療が必須で、ときには早い時点での人工呼吸が必要となります。

 

集中治療を行う前でも酸素不足を防がなければなりません。

 

感染者に対しては血中酸素飽和度、水分のバランスおよび血圧を注意深く観察する必要があります。

ハンタウイルス肺症候群の予防

こちらも腎症候性出血熱の場合と同様に、ネズミ類との接触がないように環境を整え、汚染された場合には適切な処理をします。

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ハンタウイルスのワクチンや薬は?

治療には抗ウイルス剤のリバビリンの有効性が試験的に検討されていますが、主に対症療法による治療が行われいます。

 

ワクチンについては、日本ではワクチンが実用化されていないため、対症療法以外の有効な予防・治療法がないのが現状です。

 

発症時に迅速な対応が可能なように、ヒト用の診断キットや抗ハンタウイルス剤の開発が重要な課題となっています。

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ハンタウイルスはヒトヒト感染する?感染経路は?

ネズミ

腎症候性出血熱』、『ハンタウイルス肺症候群』ともに、ヒトからヒトへの感染は起こらないと考えられています。

その点は少し安心ですね。

よって感染経路はネズミが主要因ということですので、やはりネズミが生息するような不衛生な環境を作らないことがポイントですね。

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ハンタウイルス日本で流行の可能性は?

ヒトからヒトへの感染は起こらないと考えられているので、現在の日本の環境下では衛生面が整備されているため流行する可能性は低そうですね。

 

過去の日本で発生したときの事例だと、1960年代に大阪梅田駅周辺でドブネズミが感染源と疑われる腎症候性出血熱の流行が発生し、119例中2例が亡くなり、「梅田熱」と呼ばれたそうです。

 

また、1970~1984年まで全国の大学や研究機関の実験動物施設で、実験用のラットを介した実験室型の流行が発生して126例中1例が亡くなりました。

 

しかし油断できないのは、現在の日本でもドブネズミや野ネズミを対象にした疫学調査で全国20カ所の港湾地区で捕獲されたドブネズミや北海道のエゾヤチネズミが、ハンタウイルスに感染していることが明らかになっているそうで、何らかの原因でヒトとねずみの接触機会が増加すれば、日本でも再流行が起こる可能性があるそうですので注意が必要です。

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ハンタウイルス疾病のワクチンや薬は?ヒトヒト感染や経路とは?日本で流行の可能性まとめ

新型コロナウィルス終息にめどが立っていない状況のなか、新たに出てきた『ハンタウイルス』のニュースですが、正しい情報を入手して、慌てず冷静に対応しないといけませんね。

 

まず私たちができることは、きちんと衛生管理を徹底してしていく事ですね。

 

また何か有益な情報がありましたらお伝えします。

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