新型コロナウイルスの集団感染により日本の横浜港に停泊した状態で隔離されている大型豪華客船ダイヤモンドプリンセス号。
新型コロナウイルスの感染が確認されてから、水際対策が注目されていますが、船内では乗員約3,700人のうち感染者が634人にのぼり、遂には死者も2名でてしまいました。
【クルーズ船 新たに13人感染】https://t.co/QMI5i94UlY
厚生労働省によると、クルーズ船の乗船者で新たに20~70代の13人の感染が確認された。これまでに延べ3063人を検査し、感染者は計634人となった。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) February 20, 2020
政府や厚生省の対応の甘さなどに批判が集まるなか、ダイヤモンドプリンセス号の船長の対応にも注目が集まり賞賛の声が上がっています。
その船長の名前はジェナーロ・アルマ(Gennaro Arma)船長。
このはジェナーロ・アルマ船長とは一体どんな人物なのでしょうか?
そもそも、注目されているダイアモンドプリンセス号とはどのような船で、これまでどのような経緯だったかをまとめました。
ダイヤモンドプリンセス号のジェナーロアルマ船長の行動に世界が賞賛!
【クルーズ船 勇敢な船長に称賛】https://t.co/Gr97cajJGq
ジョークを織り交ぜつつ重要な健康情報を連日伝え、乗客を落ち着かせてきたダイヤモンド・プリンセス船長に称賛の声。船長は、乗客からの応援によく感謝を口にしていたという。「ただ、白髪はちょっと増えました」。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) February 20, 2020
ジェナーロ・アルマ船長は横浜港に停泊中のダイヤモンドプリンセス号の船内で、新型コロナウイルスの集団感染で不安が広がるなか、乗客を落ち着かせるために行動しているそうです。
そんなジェナーロ・アルマ船長の取った行動や、メッセージをまとめました。
ジェナーロ・アルマ船長が乗客を励ますために取った行動
- 軽快なイタリア語訛りの英語で、気の利いたジョークを織り交ぜつつ重要な健康情報を連日伝えた。
- 乗客に向け頻繁にメッセージを送った。
- 窓のない小さな客室から出られずにいる乗客もいる中で、情報を提供し続け、励ましの言葉を掛けた。
- ソーシャルメディア上にハッシュタグ「#hangintherediamondprincess(ダイヤモンド・プリンセス頑張れ)」と一緒に投稿された応援メッセージを読むよう勧めた。
- バレンタインデーには、乗客にチョコレートを贈り、「(愛は)すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える」との聖書の一節を添えた。
ジェナーロ・アルマ船長から乗客に向けたメッセージ
- 「ダイヤモンドというのは、高いプレッシャー(圧力)の下で非常にうまくいった炭素の塊です」
- 「ここに残る人々が家族のように団結できると確信しています。一緒にこの旅を成功させましょう。世界が私たちに注目しています」
- 「私を心配してくれる皆さん、あなた方の優しさにとても心を動かされました。ご安心ください、私は元気そのものです。12日前とそっくりそのまま同じ船長です。ただ、白髪はちょっと増えましたが」
- 「イタリアにいる友人が、私のアナウンスを録画した動画を送ってくれました。何度も何度もこれを聞かされた皆さんに謝ります」
- 「正直、自分で自分のアナウンスを聞いて、発音のひどさに驚きました。でも、悪いのはマスクです。そういうことにしておきましょう」
乗客の反応
「乗客の間でパニックが起きていない理由の一つは、船長のリーダーシップだ」
定期的に情報を提供し、検疫官に相談して乗客のリクエストに応え、デッキを歩き、医薬品の配布の遅れを謝罪する…こんな人に、私たちの国の指導者になってほしい
米ニューヨークのハドソン川に旅客機を不時着水させ、乗客全員の命を救った「ハドソン川の奇跡」のチェズレイ・サレンバーガー機長を思い出した
ジェナーロアルマ船長はどんな人物?
ダイヤモンド・プリンセスの船長はこの人、ジェナロ・アルマ船長、今大変なんだろうな! pic.twitter.com/luTkIzPh9U
— Kenji Tsuru (@0iZMB88ikrvxs0N) February 13, 2020
ジェナーロ・アルマ船長の経歴を見てみましょう。
1998年に士官候補生としてプリンセスクルーズでキャリアを積み、航海士として等級を上げていきました。
2015年にはシープリンセスのキャプテンとして最初の指揮をとり、2度の世界クルーズで船を操縦しました。
そして2018年にダイアモンドプリンセスの指揮をとるようになりました。
ジェナーロ・アルマ船長の人柄はどうでしょう。
イタリア・ソレントの美しい半島サンタニエッロに生まれたジェナーロ・アルマ船長は、常に海へ情熱を注いできました。
ジェナーロ・アルマ船長の妻マリアンナさんも「温厚で、責任感の強い人」と話しています。
本当に素晴らしい人柄で、今回多くの人に賞賛され信頼されている理由がよく分かりますね。
しかも写真で見ると、とてもダンディーでカッコいいですね!
#day8 #coronavirus #CoronavirusOutbreak #quarantined on #DiamondPrincess captain last announcement of today. Thank you captain! Take some rest, we will be strong for you also! 💪🏻💪🏻💪🏻#HanginthereDiamondPrincess pic.twitter.com/p9wWXGhRXZ
— Yardley Wong (@yardley_wong) February 12, 2020
実際のジェナーロ・アルマ船長の艦内放送の様子です。
ダイヤモンドプリンセス号とはどんな船?
1日に1風景を撮る!
4月25日(水)
ダイヤモンドプリンセス号
夜暗い中、一際輝いている豪華客船「ダイヤモンドプリンセス号」
一度乗ってみたいなあ〜
でも値段が高そう…
まるでダイヤモンドのように輝いていて幻想的でした! pic.twitter.com/9yyJtjbYZu— 山崎りょうた🐛🐣🐝 (@HKD1203) April 25, 2018
ジェナーロ・アルマ船長が舵を取るダイヤモンドプリンセス号は一体どのような船なのでしょうか。
何と、このダイヤモンドプリンセス号は日本の三菱重工業長崎造船所で建造された最大の客船として2004年にデビューしています。
アメリカのクルーズ会社「プリンセス・クルーズ」が運航しており、日本発着クルーズは2014年から開始されました。
乗客定員 | 2,706人 |
乗組員数 | 1,100人 |
総トン数 | 115,875トン |
巡航速度 | 22ノット(41km/h) |
全長 | 290m |
全幅 | 37.5m |
船籍 | 英国 |
建造年 | 2004年 |
改装年 | 2014年 |
上質な客室はももちろん、展望浴場やカジノ、シアター、カルチャー教室、免税店、ラウンジ、パーティーなど様々なアクティビティが用意され、船上の超高級ホテルといったことろでしょうか。
ダイヤモンドプリンセス号のこれまでの経緯
2020年1月20日 横浜港出航
香港やベトナム、台湾、沖縄をまわり2月4日午前に横浜に帰港する旅程でした。
2月1日 香港で下船した乗客の感染を確認
香港政府は1月25日にダイヤモンドプリンセス号に乗って香港に帰国した男性(80)から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が確認されたと発表。
2月3日 検疫開始
ダイヤモンドプリンセス号は2月3日夜に横浜港に到着。
着岸せずに停泊し、日本政府の検疫下に置かれました。発熱などの症状がある人を確認。
2月5日 隔離開始
乗員乗客のうち10人に新型コロナウイルスの感染が確認されました。
この日の朝以降、感染拡大を防ぐために乗客全員を自室待機として事実上の隔離措置を開始。
発熱などの症状がある人を中心に、新型コロナウイルスの検査も順次行い、検査結果が発表されるたびに感染者の数は増加。2月20日までに計634人の感染者が確認され、重症者は28人、2人の死者をだしました。
更に船内で業務にあたっていた厚労省の40代男性職員と内閣官房の30代男性職員の感染も確認されました。
2月19日 感染が確認されなかった乗客の下船が始まる
乗客の下船が始まりました。
下船を不安視する声もあるなか、長らく船内に隔離されてきた乗員にとっては、ようやく下船することができ安心しているのではないでしょうか。
ジェナーロアルマ(Gennaro Arma)船長はどんな人物で経緯は?クルーズ船ダイヤモンドプリンセス号まとめ
豪華客船で起きた新型コロナウイスルの集団感染。
次々と感染者が増えて聞く状況は、まるで映画のワンシーンのような光景でしたが、今まさに現実に起こっていることであり、日本国内でも感染範囲は確実に広がりつつあります。
過去に例を見ないでき事に、政府や厚生省の対応も100%確実な対応が取れる保証が無いなか、様々な憶測や情報がSNSを通して広まっています。
そんななか、ジェナーロ・アルマ船長のニュースは、新型コロナウイスルの感染拡大で不安が広まるなか、人々の心を癒し、乗客の方々に勇気と希望を与えてきました。
自身も厳しい状況のなか、責任者として最高のリーダーシップを発揮したジェナーロ・アルマ船長を心から尊敬します。
かつて航空機のトラブル(バードストライク)で墜落の危機となった飛行機を、冷静な判断と高い操縦技術でハドソン川へ着水させ、乗客乗員155人の命を救いハドソン川の奇跡として英雄となった、チェズレイ・サレンバーガー機長という方がいましたが、今回のジェナーロ・アルマ船長の言動も多くの乗員乗客の心を癒し救ったことから、英雄と言っても過言ではないのでしょうか。
ダイヤモンドプリンセス号の乗員乗客が、一日も早く安心して下船できることを心から祈っています。